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坂本先輩の話は全部本当なの? でも目の前にいる彼が嘘をついているようには思えない。
じゃあ本当なのかな。今はもう誰とも関係を持っていなくて、噂になっていた子供は悠一くんなの?
まじまじと彼を見つめてしまっていると、坂本先輩は真剣な面持ちで私を見据えた。
「なぁ……再会してからもずっと俺に振り回され続けていたのは、お前も俺と同じ気持ちでいてくれているって思ってもいいの?」
「それはっ……!」
同じ気持ちってことは好きってこと。
カッと顔が熱くなるものの、すぐに頷いた。
だって私がずっと坂本先輩に振り回され続けてきたのは、彼のことが好きだから。
伝えるんだ、今まで伝えることができなかった自分の想いを。
驚いている坂本先輩の瞳を捉えた。
「好きです。……何度も振り回されても、忘れようとしても忘れられないほどに。坂本先輩のことが大好きです」
やっと伝えることができた好きって言葉。
すると坂本先輩は初めて私に笑顔を向けた。
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