1522人が本棚に入れています
本棚に追加
/296ページ
視線を仕切りの方へ向けると、悠一くんは耳を塞ぐことなく嬉しそうに私たちを見ていた。
「え、悠一くんいつからっ……!?」
慌てふためく私とは違い坂本先輩は落ち着いていて、私の身体を離すと悠一くんの元へと歩み寄っていった。
「悠一、これでいいか?」
そう聞くと悠一くんは満面の笑み漏らした。
「うん! お兄ちゃん、よくできました! かっこよかったよ」
子供らしい褒め言葉に私と坂本先輩は顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。
坂本先輩が好き。
やっと伝えられた想いと通じた気持ち。
この気持ちはこの先もずっと変わらない。
どんなに振り回されても、冷たくされても、嫌いになれなかったのだから。
最初のコメントを投稿しよう!