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「月菜ちゃーん! こっちこっち早く!」
「ごめんね、お待たせ」
八月中旬の夏真っ盛り。会社はお盆休暇中。
炎天下の下、待ち合わせ場所である屋外遊園地の前で私の姿を見つけると、可愛く全力で駆けよってきたのは悠一くん。
そして勢いそのままに抱き着いてきた。
「月菜ちゃん一週間ぶり! 元気だった?」
「うん、元気だったよ。悠一くんは?」
抱き抱えると悠一くんは嬉しそうに頬を擦り寄せてきた。
「僕も元気だったけど、月菜ちゃんに会えなくて寂しかった」
可愛いことを言ってきた悠一くんに私はずっとメロメロ状態。
坂本先輩と付き合い始めてから、休日はもちろん、仕事帰りも彼と一緒に悠一くんを迎えにいって三人で夕食を共にしていた。
悠一くんはすっかり私に懐いてくれて、私と会う時は坂本先輩より私にべったり。
私は完全に悠一くんに母性本能をくすぐられぱなっしだった。
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