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「邪魔そうなあの子よりもあなたを殺した方が面白そうね」
「支えることを知らないお前に選択肢はないよ」
「黙れ。目の前に家族を殺された痛みが分かるか?私はあの男に復讐をするんだ」
どうやら、彼女もまた私と同じようだ。そして同じ二本の剣。まるで葵に会わなかったままこの戦いを続けたであろう私の姿を写してるようだ。ますます気に入らない。
私は剣を両腕と共にピンと伸ばす。そしてその剣を彼女に向けて振るう。しかし彼女にかわされる。
「支えられることを知るものはみんな遅い」
「うっせーよ」
私はさらにスピードを上げて斬りあげる。しかしまた彼女にかわされてしまった。
「あなた、私と同じ匂いがするわね」
その言葉と共に彼女の背後に映った葵の姿に私は目を引いてしまった。葵は彼女の武器である銃を持ってこめかみに当てていたのだ。何となくその理由が分かった。
「……ざけんな!!」
私はなんとも言えないスピードで両腕を動かし、葵の方に向かってその銃を蹴り上げた。宙に舞って落ちてくる銃。
「帰ってくると言っただろうが!!支えられていて邪魔になるから消えるとかやめろよ。まるで昔の私を見てるようだから」
「うん、ごめん……ん?……ひぃぃぃぃい!!」
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