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3話「命すら懸けられねえなら私の前に立つな」
私の目の前に一人の少女が小さな銃を片手に隠れることもしないで体を小刻みに震わせながら立っていた。そんなんじゃ、撃たれる私も楽には死ねないなと思いながら近づく。これは私を油断させる作戦なのか?それとも本当に怖がってるのか?だが、おそらく後者だろう。なぜなら、この闘いに似合わないスカートを穿いているからだ。
「やだっ……来ないで!!」
「やれやれ。その銃を捨てろ。私もこれら捨てるから」
「やだっ。また私をそうやって騙してみんなで笑うんだ。ひとりぼっちにして」
「はぁ……」
私は二つの剣を近くに投げ捨てる。
「どうして置くのよ!!死ぬかもしれないのに」
「撃ちたいなら撃てよ。でもね、これだけは言っておく。命すら懸けられねえなら私の前に立つな!!」
彼女はその言葉に反応して気を引き締まっている。しかし体の方はさらに震え上がっている。下手したらそのまま飛び跳ねてしまうんじゃないかってぐらいに。
「撃つんだ。撃つのよ。撃ってよ……できない……」
彼女は涙を静かに流しながら銃を投げ捨てた。この子を一人でそのままにすると辛いだろうな。なら、殺す方がいいか。
「捨てたのに何で近寄るの?やめて、来ないで!!ねぇ!!」
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