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金切り声を上げてる彼女。
「それはね、こうするためだよ」
私は右手の拳を丸げて肩の上に上げる。そして彼女を殴りかかる姿になれたらしい。彼女はそんな私に怯えて力強く目をつぶっている。ヘアーバンドで結ばれた私のポニーテールの髪の毛とは違ってショートヘアが彼女の頭の後ろで微かに揺れている。なーんて、私は彼女を殺す気なんてない。いや、それは嘘になりかねるかもしれない。本当は彼女が例のニセモノだったら殺さなくてはならないからだ。だが、それは今ではない。ただそれだけのことである。そして私は右手の拳を私の胸よりも大きく膨らんだ彼女の胸を掴む。ん?なんか臭うな、と私は不思議に思って彼女を見る。彼女は何とも言えない表情で私を見る。
「殴って殺さないの?……ちゃった」
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