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最後の方の言葉が小声で聞こえなかったが、私は彼女のスカートからそびえる足を見て何を言ったか悟った。彼女は私の恐怖に耐えられなかったのと私が彼女の胸を触ったことから起きたくすぐったさを混じえた驚きにより、足を伝わって水をたらしていた。その水は紛れもなく彼女のスカートの中から飛び出てしまったアレである。私はやりすぎてしまったと思い、頭を彼女に向けて深々と下げる。彼女はそんな私を見て、冷たい目で見てこう言う。
「痴漢ですよ。これだから男の人は……あれ?でもポニ……」
私は無意識に彼女の首元を片手で掴んで高く持ち上げていた。彼女は足を浮かせている状態で。
「私より胸が大きいからって調子に乗るなよ?小娘」
「ごめんな……さい」
苦しそうな彼女の声を聞いて私は我に戻った。また私は禁句の言葉を言われて行動に移してしまっていたようだ。離された彼女は激しく咳き込んでいた。
「ごめん。あの……つい……」と言葉を発する頬がなんか熱い。
「私が悪かったです。あっ、あなた、そんな顔もするのですね。女の子らしくてかわいいです」
息苦しながらも彼女は私にそれを伝える。女の子に女の子らしいって……か。
私は彼女に手を差し伸べる。
「前言撤回。命すら懸けられねえなら私の後ろに隠れてな。必ず守るから」
彼女はそんな私の手を見つめる。受け取ってくれるわけないよな。そう思いながら手を引っ込めようとした時だった。私の手を小さくほんわりとした手が握り返す。
「私は赤崎葵。あなたは?」
彼女は私を先ほどとは違ってにこやかに微笑んでいる。
「間宮花火。赤崎さん、よろしく」
「葵でいいよ。花火ちゃん」
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