3話「命すら懸けられねえなら私の前に立つな」

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花火ちゃんか。私はふっと思ったことを言うために彼女の名前を呼ぼうとした。しかし……。 「あほ……あほい……」 恥ずかしくて言いづらい。なぜこんなに恥ずかしいんだ。 「頑張れ、頑張れ」 そんな私を悟ったのか、彼女は私を応援してくれる。 「葵、服脱いで」 「え?」 「違う。何言ってんだ、私は。服をどうにかするために川へ行こうと誘うつもりなのに」 彼女は声を出して笑ってる。 「ありがとう。でも服これしかないわ」 「私が何とかする」 「じゃ、行こっか」 私たちは川に向けて出発した。何とも言えない道の先を見つめながら。
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