声聞くときぞ

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「ひろッチ……ユウ……」  走り出した車に、オレは慌ててシートベルトを外す。膝立ちになると助手席の背面に張り付くようにして、降りた2人を見つめた。  中学の頃のダチである磐木祐志と、その親友の織田弘人。  遠ざかっていく2人に、「またやっちまった…」と後悔の思いだけが浮かぶ。  自分のバカさ加減には、呆れて涙が出そうだった。 「オラ、昭仁。ちゃんと座らねぇと危ないぞ」  前を向いたままの先輩、坂城克征が呆れた声を運転席から出す。それに「はい…」と返事しながらも、オレは居たたまれなさにガンガンとヘッドレストに頭突きした。  ――誰か、オレのこのバカを直してくれ! 「やめろ、昭仁。俺の車が壊れんだろがよ」  冷ややかな先輩のセリフに、「うぅ…」と呻く。そしてヘッドレストを抱え込んだ。 「先輩、ここはウソでも俺の頭を心配してほしいっす……」 「ある意味してるよ。お前、頭大丈夫か?」  眉間に皺を寄せた先輩が、チラリとこちらに視線を向ける。  ユウに向けるのとは全然違う視線に、また落ち込んだ。 「それより昭仁。そろそろちゃんと座らねぇと、急プレーキかけて後頭部からフロントに突っ込ますぞ」
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