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One day in autumn
君はいつだって身勝手だった。
わがままで、得手勝手。
気分屋で、小悪魔気味。
気まぐれに僕を振り回して、いつだって楽しそうに笑ってた。
想えば
初めて出逢った、あの秋の日から
君は身勝手に、不躾に
土足で僕の中に入り込んで来たんだ。
こんなものなんて、いらないんだよ。
そんなことより、もっと……くそったれ。
あの頃に戻れるなら、僕は……
***
「海くんだよね? 隣いいかなぁ?よいしょっと。」
「えっ?ちょっと?! そこ連れが来るんだけど。」
「いいからいいから。あー。この教授の講義ってかったるいのよねー。ね?そう思わない?」
「…僕は好きだよ。細かく詳しく教えてくれる。それに、勉強熱心だ。」
「…ふーん。そうなんだー。じゃぁあたしも今日から好きになるよ。うん。」
「ってか、あんた誰? なんで僕のこと知ってんの?」
「ふふー。あたしは千秋。君と同じく一回生ね。
君、有名だからねー。
知らないの? この学校の女の子たちみんな、こぞって君を狙ってんだよー。 かっこいいんだもん。」
「……うぜぇ…。何しに大学来てんだよ…。」
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