君のクラスメイトとなりあなたの空気となる

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───────────────────。 いきなりこんな事書かれても何の事か分からないだろう。 俺も正直最初は何なのか分からなかった。 俺の名は│水速優一(みはや ゆういち)。今日から高校生だ。 今、家で飯を食べたので入学式に向かうところだ しかし、思いきって地元を離れてみたはいいが、いかんせん東京は人が多い 駅から出てくる人、人、人。その群れと混ざる形で通学路を目指さなくてはならないから余計に大変だった そして高校に行く。これ事態が苦痛でもあり、自分に必要な道でもある 自分には他に選択肢があるのだけど 駅から降りた先の町並みはショッピングセンターや企業のビルが立ち並ぶ都会にはありふれた光景 当然、そこには車があり車道と歩道で分かれる。 なぜ、そこを気にするか。他に目移りする情報があるかもしれないが、自分にとってはこの情報が一番重要なのだ 何せ、耳が聞こえないのだから ある事故からこうなってしまった自分には音という音が一切入ってこない なので車が来ても音で分かるという事ができない 信号があるじゃないかという奴もいるかと思うが俺も最初はそうしてたが、一度信号無視で走ってきた車とぶつかりそうになって以来車の走ってない事を確認するようになった。 だから俺もこればかりは余所見していられない。中学時代に、はまっていた音楽とも縁が無くなった自分としては、登校中なんて味気ない物だ 中学時代と変わらず徒歩30分ほどにある高校はMP3で音楽を聴かなくなった分、長くしんどく感じられた しかし、選択肢である養護学校を親は勧めてきたが、そこを断り1人東京の公立高校に入ったのには理由がある。自分はこれまで何も不自由なく生きてきた、それを突然耳が聞こえなくなっただけで今までの人生が一変する。それに堪えられなかった 要は意地なのだが、一度張った意地は変えたくない。ならいっそ1人で遠い東京へ行こうじゃないかと決めた。決めてしまった 言い出したら聞かない性格なのは親も良く分かってるから、結局そのようになった。そりゃあ、地元の愛知県ならトヨタもあるし、就職先に事欠かないかもしれないが、それでも俺は何と言われようとやる ただ、その中で何もかも俺の言いなりしたくないのか、母親の知りあいが教師をやっている高校に行く。それを条件に決定した事項であった
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