コタツ上の空論

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数は無限にある。しかし、そもそも無限って何だろう?無限の量の宿題が終わる、なんてことがあるのだろうか?もし僕が超人で、1つの宿題を一瞬で片付けられるとしたら、無限でさえ一瞬で終わってしまうのだろうか? 棒に鋭い刃物で切り込みを入れる。すると棒の端からその切り込みまでの長さが決まり、その長さに対応する数が必ずある。これは僕たちがすべてのメモリの入った物差しを持っている、ということに他ならない。ところでこのすべてのメモリの入った物差し、一体誰なら作れるのだろうか?これこそ無限を終わらせる超人にしかできないだろう。 果たして、幅を持たないはずのメモリが、長さを持つ物差しを埋め尽くす、だなんてことが起こりうるのだろうか? 足の速い僕と足の遅い亀が競走する。僕は亀より後ろから走り始める。この時、僕は亀に追いつけるだろうか? もちろん、先にいる亀を追いかけていけばいずれ追いつくことができるだろう。 しかし、僕が先にいる亀を追いかけるのでなく、亀のいた地点に向かって走ったらどうだろう?つまり、まず僕は亀のスタート地点Aに向かって走る。地点Aに着いたら、今亀がいる地点Bに向かって走る。地点Bに着いたら、今亀のいる地点Cに向かって走る。以下、繰り返し。 この場合、僕は亀に絶対に追いつくことができない。なぜなら、亀のいた地点はいつでも亀より後ろにしかないからだ。
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