コタツ上の空論

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動いている亀に向かって走ることと、亀のいた動かないある一点に向かって走ることは何が違うのだろうか?それとも何も違わないのだろうか? 亀の動きは線で表すことができる。動かないある一点は点でしかない。 点をたくさん打つとき、それは線になるのだろうか?点には幅がない。線には長さがある。一見全く別物に見えるこの2つだが、超人にとっては同じであろう。超人なら、幅のない点でさえ無限に打つことで長さのある線に変えてしまう。ただし、その超人は滑稽なことに、亀に追いつくことができない。 数当てゲームをしよう。今、僕は超人だ。超人なので、0.4315634……のような規則性を持たない無限に続く数をイメージできる。ところでこの数、1は何回出てくるだろうか?一億回以上だろうか?それとも未満だろうか?実は一回しか出てこないのだが、そのことをどうやって人間は確かめたら良いのだろうか? どんな数学的難問にも答えられる無限を終わらせる超人は、しかし、亀にさえ追いつくことができない。 定規を3㎝のメモリを境にして折ってしまおう。すると定規はAとBの2つに分かれる。AもBも、3㎝を境にして折ったのだから当然、Aの折れた端は3㎝だし、Bの折れた端も3㎝だ。つまり、Aの定規には3㎝以下のメモリが並んでいて、Bのメモリには、3㎝以上のメモリが並んでいる。ん?でも待てよ、3以上と3以下だと、3がダブってる?数学的には3以上と3未満だよなぁ? 現実が間違っている訳がないし、もしかして、数学っておかしい?――
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