2人が本棚に入れています
本棚に追加
「...んっ、どこだ?ここ。」
私、黒崎澪蘭は、とある中学校の2年生。歴史の宿題をしているうちについうとうとしてしまい、目が覚めると、全く知らない、辺り一面草しか生えていない場所に来てしまった。
「夢...かな。」
そう思って自分の頬をつねってみる。
「痛い...。」
どうやら夢ではなく、本当にどこかに飛ばされたようだ。
「どういうこと...?」
私は混乱する。何しろ、1人で見知らぬ土地にいるのだから。
その場所は、もうすぐ夜になる...という時間帯なのだろう。紅い太陽が見える。
「ケータイは...繋がらないか。」
私は歩き始めた。何もしなくても餓死するだけだ。何しろ今私はスマホとイヤホンと少しばかりのお菓子しか持っていない。
... 歩き始めて10分くらい経っただろうか。数十メートル先に、木造の建物が見えてきた。
「あれ、なんだろう?」
私がそんなことを考えながらそれに近づいていくと、
「誰だ!?」
私は、横から突如現れた古い服装の兵士的な人に捕まった。
「おい、こいつ、怪しい服を着ているぞ。ヒミコ様のもとに連れていこう。」
その兵士が仲間に言う。
「ちょっと待ってください!私は怪しい人じゃありません。」
「問答無用!」
私は連れられてしまう。少し進むと、歴史の教科書に書いていた弥生時代の遺跡に酷似した集落が見えてきた。
この集落、そしてこの人達の服装、ヒミコって...
(私、もしかして、タイムスリップしてしまったのかも?)
最初のコメントを投稿しよう!