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第1章 卑弥呼と内乱解決!
「卑弥呼様、外をうろついていた妙な者を連れてきました。打首にしますか?」
いや、怪しいってだけで打首は酷くない?
そんなツッコミを入れていると
「しばし待て。」
さっきから後ろ姿しか見えない真っ白な着物を着た、私とは大違いの綺麗な黒髪の女の人(おそらく卑弥呼)が言う。
「そなた、この時代の者ではないな?」
えっ、気づいたの?と私が問い返す前に
「私にかかればこの程度のこと、造作もない。お前達、その者を解放しなさい。」
私を縛り付けていた紐が解ける。
そう言えば卑弥呼は占いで国を治めていたんだったか、と思い出す。私は、歴史が苦手なのだ。正直卑弥呼が何をしたのかよく分からない。
「お前達、席を外せ。...そなたは未来から来たのだな?」
卑弥呼は部下を追い出して?私に問う。
「...はい。」
私は、このまま過去に居続けると、未来に影響が出るのではないか、と考えた。だからこのことは、できるだけ内緒にしておいた方がいいのかもしれない。
卑弥呼がゆっくりとこちらを向く。
彼女は想像した通りの、私と大違いの真っ黒な目の美人だった。
「あら、そなた、小さな女の子!可愛い~?名前、何ていうのだ?」
ええーーーーーーーーーーー?さっきまでの女王オーラは一瞬で消え去る。
卑弥呼って、ロリコンだったのかよ…。教科書でのイメージが一瞬で消え去る。(私は中2だが、背がかなり低く童顔だ)
「あぁ、ええっと、澪蘭です。」
「へぇー、澪蘭ちゃん。私はそなたが気に入ったぞ!」
占いで国を治めるロリコン黒髪お姉さんに気に入られても嬉しくないんですけど。
「ところで、私は今国で困っていることがあるのだ。そなたにもできれば協力してもらいたいのだが。」
「...はい。私に出来ることなら。」
ここで断っても何か言われそうなので、渋々承諾した。
「実は、この邪馬台国で、内乱が耐えない。」
卑弥呼が深刻な顔つきで言う。
「そして、その内乱を止めるのを、そなたに手伝って欲しいのだ。」
「わかりました...ですが、どうして私に?」
「それは、私がそなたを気に入ったからに決まっているではないか。大丈夫だ、命は絶対に守る。」
卑弥呼は私を選んだもう一つの理由を言わなかった。
「とにかくだ、今日はこの屋敷で休め。明日から、早くなるからな。」
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