第1章 卑弥呼と内乱解決!

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「っ!」 私は立っていられなくなり、手をつく。男はもりを抜き、今度は卑弥呼に向ける。 「おい、お前は今すぐに謝れば刺さないで置いてやるよ。」 まずい。彼女には戦う力はないはず。 私は、思わず飛び出した。 ガッ... そして、持ち前の運動神経で、相手の急所を正確に蹴り、気絶させた。 私は、自分の足の傷がすっかり治っていることに気づかなかった。 「大丈夫でしたか?」 私は卑弥呼の元に走っていく。 「私は大丈夫だ。ありがとうな。可愛い女の子に助けられるなんて、私も運がいい。」 最後のセリフは聞かなかったことにしよう。 「あの、あなた達は...」 被害を受けていた人が私たちに尋ねる。 「私は、女王卑弥呼だ。そして、この子は私の腹心の部下だ。」 え?私が卑弥呼の腹心? 「ひ、卑弥呼様?」 みんな口を大きく開けている。 「占いでここで争いが起こると出たのでな。」 卑弥呼はニッコリ笑って言う。 「あ、ありがとうございました!」 人々は感謝感激、って感じでお礼を言う。 なんか、お礼を言われると恥ずかしい。 「いえ、困った時はお互い様、ですから。」 私には、これくらいの返ししかできなかった。 「いやー、今日はひと仕事したな。」 卑弥呼の宮殿に帰ってきて、卑弥呼は玉座でくつろぎながら私に言う。 「本当ですね。過去でこんなことするなんて思いませんでした。」 「そうだ、そなたの未来、占ってやったんだが、結果、聞きたいか?」 「はい!」 私は元気よく頷く。 「そうか。単刀直入に言うと、お前の冒険はこれでは終わらない。これからは、もっと楽しい仲間が出来て、もっと手強い敵も現れるだろう。」 え?ということは...まだ、このタイムトラベルは続くっていうこと? 「それって...」 私が問い返そうとすると、 ファァァァァ… 意識がだんだん消えて行った。 気がつくとそこは、さっきまでとは別の場所。卑弥呼も、その部下も、いなかった。
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