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その女子生徒は、刃部が竹で出来た薙刀を俺に向けてくる。部活で使用しているのだろうが、防具も付けていない相手に得物を向けるとはスポーツマンの風上にもおけない。
「私は生徒会役員補佐1年【雷門 静流】! ちなみにこの薙刀は私の私物だ!」
スポーツマンではなかった。というか生徒会役員補佐って何だよ、意味わからん。
「貴様、その目……今、私を愚弄しただろう! 許さん!」
目は口ほどにモノを言うとは本当らしい。どうすればこの状況から逃げられるか考えていた矢先、思わぬ所から助け舟が現れる。
「ひ、火狩様?!」
八神火狩が薙刀を掴み、止めに入ってくれたのだ。なんだ、こいつ案外いい所あるじゃないかと感心してみせたのも束の間。
「……………………………………」
凍てつく様な目で睨まれた。まるで虫か汚物でも見るかのような視線。恐い。とりあえず謝ってしまいそうなくらいの迫力というか、圧がある。
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