―日常編―『崩壊と邂逅』

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とりあえず時間も遅くなったのと、突然の八神襲来に疲れたと月乃が言うので解散する事となった。帰り際に「部活! 来なさいよ!」と尚もしつこく言われてしまう。 自室へ戻ろうとした時、台所から母親が顔を覗かせ「あれ? 皆帰っちゃったの?」と聞いてくる。2人共、何度となく俺の家へ来ているし昔は泊りに来たりもしていた。特に母親は月乃の事を実の娘のように可愛がっていた。いや、もはや溺愛だろうか。 「なんだ、久しぶりに一緒に夕食出来ると思ったのに」 心底がっかりしたような様子。やれやれと溜息をつきながら、改めて俺は自室に向かう。 電気がつけられていないせいか、裏返しになったスマホから光が漏れている事に気付く。また訳の分からないメールが届いたのかと気分悪くしつつ、それを拾い上げる。 メールは届いていない。その代わり、見慣れた液晶画面に変化が起こっていた。 「なんだこれ。トップメニューに知らないアプリが入ってんぞ」 アイコンはドット絵で、男の横顔が描かれていた。どことなくだが、俺に似てる気がする。気持ち悪ィ……
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