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『今は所謂、臨死状態というやつニャ……よ。記憶が曖昧なのも、つまりはそういう事』
臨死……? いや、何を言っているんだよマジで。トラックに轢かれたとか、あれは全部夢だろ? 今ここで、こんな訳の分からない状況なのも夢だからだろ?!
『そこの映像が現実。貴方は何者かに殺されかけてるニャ……の』
殺され……かけている……? そこで思い出す。商店街通り、信号機が変わるのを待っていた時、何者かに押されて……俺は……
――一体誰だ?! 俺を殺そうとした奴は?! お前は知っているんだろ?!
『知るワケがない。でも、犯人が誰かを暴く方法なら知ってるニャ……わ』
何だそれは?! 言え! 早く教えろよ!!
『生き残る事。そうすれば記憶もハッキリするし、犯人の手がかりを追う事も出来る。死んでしまえば、それでお終い』
生き残る……その為に、俺は何をすれば……頭の中でそれを思い浮かべた瞬間、目前の猫が不気味な笑みを浮かべた。
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