― Prologue ―

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「ま……まってくれ……かならず、かねは、かえす……だから……」 「どうやって返すゆうねん。担保もなく消費者金融から借りる事も出来ん。知ってんぞ。自宅に置いてた大きなキャリーバック。アンタ、逃亡を企てようしてたやろ」 「そ、それは、違……」 「若けりゃ他に金作る方法もあるんやけど、アンタはそれも出来ん。分かる? 価値がないねん。ゴミと一緒」 あはははと無邪気な笑い声が、車内に響き渡る。 「でも安心せぇ。そんな、どうしようもないアンタに最後のチャンスが訪れたで。このゲームに成功すればアンタの借金、全部俺が立替えたる」 その言葉に、男は「ほ、本当か……?!」と呟く。 「もちろん本当や。ではルール説明したるから、しっかり聞きや。1度しか言わへんで」
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