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メグルが目的の場所に向かって走り出し、それをりうじが追いかける。
「お、待ち人、発見……かな?」
りうじの更に後ろをついてきていた千冬が、前方を見ながらそう言った。
千冬の視線の先をメグルが見ると――
黒い革ジャン――。少し派手めのシャツに、ジーパン――。ライダーブーツ――。
がっしりとした、筋肉質な体格の――
ちょっと悪そうな、ロックなオヤジがぽつんと立っていた。
「違う」
メグルが二人に即答する。
「亨ちゃんはもっとこう……センチメンタル系というか、クラシカル系というか……。背中に薔薇を背負いながら、こう……ピアノを弾く系っていうの?」
「それ、どんな系列……」
千冬のツッコミを無視して、メグルは続ける。
「いや、あれ……ロック系っていうか、バンド系っていうか……。プロモでワケわからん悪の組織と戦って爆散する系っていうか?」
「だから、どこの系列ですか、それは……」
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