第22章 そして火蓋が落とされる。

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── ──── 「……これは」 拓海さんのお店に帰ってきた私達は、目の前にある信じられない状況に絶句してしまう。 拓海さんのお店は、惨憺たる状況だった。 窓ガラスが割られ、外壁も所々傷があり、ドアも明らかに壊れたような状況。 「いったい何が……」 寺鷹さんが言い終わらないうちに、ユウさんが店の方へ勢いよく駆け出した。 「拓海っ!! 姉さん!!」 血相を変えて店の中に入っていくユウさんを見て、私もハッとなる。 マルムスさんとオニクちゃん……!! ユウさんと同じように、店の中に駆け込む。 店の中も、惨憺たる状況で。 ひっくり返されたテーブルに椅子。割れたお酒の瓶やグラス。壊された調度品。 「拓海っ!! 姉さん!! 居たら返事してくれ!!」 「マルムスさんっ!! オニクちゃん!!」 何があったかはわからない。でも、これは普通じゃない。 まさか、みんな……
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