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「そうですよね……」
ユウさんが、苦笑する。
「本当に……姉さんは、昔から強くて優しくて、私はそれに甘えてばかりでした。小さな頃は、姉さんがいじめっ子達から庇ってくれたりして、ね……」
「あー……なんか、わかる気はする。姉御肌って感じ?」
て言うか……
「ユウさんがいじめられっ子だったっていうのが意外というか……」
「子供の頃は、身体も小さくて、しょっちゅう風邪をひいたりしてましたから」
笑いながら答えるユウさんを見ながら、想像できないなんてことを思ってしまう。
「ガキ大将達にからかわれて、泣かされて帰ってきたら、姉さんが『どこの誰がユウちゃんを苛めたの』って鼻息を荒げながら……」
「あはは。本当に姉御って感じですね」
「床の間に飾ってある親父の日本刀を持ち出そうとして」
「待って。今、なんか不穏なワードが聞こえたんだけど?」
て言うか、て言うか……お父さんが日本刀を持ってるって。
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