第20章 告白

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「もともと、うちの父親とソラの父親は、幼なじみというやつで、リゾート施設の話が持ち上がるまでは、お互いに懇意にしてました。二人して夜中まで呑み歩いて、うちの母とソラの母が一緒に怒り飛ばした……なんてこともありましたね」 懐かしそうに、ユウさんが話す。 そんなユウさんを見て、やっぱり心が痛む。 ──わかってはいたけど、入り込む隙がないなぁ……。 ユウさんとソラさん──。家族ぐるみの絆──。 「で。それがリゾート施設をきっかけに、仲違いというわけですか」 寺鷹さんが呟いた。 「ソラの家は代々続く、漁師の家系でしたから。きっと許せなかったんでしょうね。故郷の海を愛してた人でしたから……。その海を壊すような連中に加担したことが……」 「でも……ユウさんのお父さんだって、いろいろ考えたすえの決断だったんだよね? 海を壊すって……」
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