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「だがらなんですか? それが原因でソラさんと……別れたの? ソラさんとユウさんのお父さん達が喧嘩したから……」
ユウさんの足が止まり、振り返って、私を見つめながら──
「父も母も、周りの手前、口にこそ出しませんでしたが、ソラと私の関係を認めてくれてました。ソラの方も同じだったと思います」
「じゃあ、なんで……」
「周りが認めてくれなかったんでしょう?」
寺鷹さんが、私の言葉に被せるようにして、そう言った。
「親同士は仕方ないと認めてはくれても、周りが許さなかったってことですよね?」
「ええ。その通りです」
ユウさんが頷いた。
「あの頃……私とソラは高校生で、まぁ、なんて言うんですかね。大人に反発する時期と言いますか……。大人の喧嘩に巻き込まれて、ソラとの関係を微妙な視線で見られることがたまらなく腹立だしくて……」
ユウさんが苦笑する。
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