第20章 告白

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「でも……私は、ほら……臆病なところがあるし、いろいろめんどくさがりだから。ソラから距離を取ろうとしたんです。下らない諍いに巻き込みたくないなんて……カッコつけて、本当は逃げたくて……」 「まぁ、なんて言うのか……三つ子の魂とはよく言ったもので」 「寺鷹さん!!」 あきれたように悪態をつく寺鷹さんを嗜めると、ユウさんが笑いながら私を制した。 「いいんですよ。その通りですから。あの頃から……私は変わってない。臆病で逃げたがりで……」 「でもね……」と、ユウさんが続ける。 「そんな臆病な私を引っ張ってくれたのが、ソラと……拓海だったんです」 「ソラさんと……拓海さんが?」 「ええ。悔しくないのかって。周りの都合で好きな人に好きって言えなくなるのは嫌じゃないのかって。ソラなんて、すごい剣幕で絶対に別れないからねって。ユウちゃんが私を嫌いなら仕方ないけど、そうじゃないなら嫌だからねって」
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