第22章 そして火蓋が落とされる。

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「マルムスさん!! オニクちゃん!! お願い!! 居たら返事をして!!」 何があったのかはわからない。でも、これは普通じゃない。絶望的な気持ちでもう一度、名前を呼ぶ。 「マルムスさん!! オニクちゃん!!」 「うるせぇ!!」 「ぎゃっふぅ!!」 後ろから、どーんっと何かがぶつかり、前のめりに倒れる。 「何回も何回も呼ぶんじゃねぇ!! 一回呼んだらわかるわい!!」 倒れている私の背後から、人影がぬっと出てきた。 「オ……オニクちゃん?」 「んだ」 仁王立ちしているオニクちゃんを見て── 「うわぁぁ!! オニクちゃんだ!! オニクちゃんが居たぁぁ!!」 「のわぁぁ!! いきなりなんだ!? おい、抱きつくな!! 鬱陶しい!!」 オニクちゃんが、私を引き剥がそうと、頭をぐりっと掴んだ。
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