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「マルムスさん!! オニクちゃん!! お願い!! 居たら返事をして!!」
何があったのかはわからない。でも、これは普通じゃない。絶望的な気持ちでもう一度、名前を呼ぶ。
「マルムスさん!! オニクちゃん!!」
「うるせぇ!!」
「ぎゃっふぅ!!」
後ろから、どーんっと何かがぶつかり、前のめりに倒れる。
「何回も何回も呼ぶんじゃねぇ!! 一回呼んだらわかるわい!!」
倒れている私の背後から、人影がぬっと出てきた。
「オ……オニクちゃん?」
「んだ」
仁王立ちしているオニクちゃんを見て──
「うわぁぁ!! オニクちゃんだ!! オニクちゃんが居たぁぁ!!」
「のわぁぁ!! いきなりなんだ!? おい、抱きつくな!! 鬱陶しい!!」
オニクちゃんが、私を引き剥がそうと、頭をぐりっと掴んだ。
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