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5  淫楽ののちの虚脱にまみれ、ぼんやりと横たわるわたしの身体に、薬師が後始末をつけていく。    わたしの中から、手早く管を抜き取り、精の入っていた器とともに薄布で包む。  そして下腹部を上掛けで覆った。  彼は、わたしの汚れを丁寧に清めるようなことはしない。    無論、王子の后であるわたしの身体に、無闇に触れるわけにはいかないという理由もある。  でも、それは本当は、翌朝やってくる侍女たちに見せつけなければならないから。  アルトナルが、わたしを「妻として扱っている」ということを――     そして、隣室の始末を誰がどのようにつけているのかを、わたしは知らない。  *  アルトナルは、やさしい。  次期国王という多忙な身体ながら、折に触れては、わたしの顔を見に来てくれる。  わたしが将来の王妃としての学びや、その他、内向きの細々としたことに精を出しているような時には、むしろ古参の女官たちに邪魔にされ、 「おやまあ、夜までお待ちになれないのですか、アルトナルさま」と、からかわれたりもするほどに。  アルトナルが、幼いわたしを「后として尊重していない」などということは、決してなかった。     
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