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 アルトナルが口にしていたミードの香りが、わたしの鼻腔をくすぐった。  その甘い唾液に酩酊し、わたしは立っていられない。  夜ごとの指先による淫戯で鋭敏になりきっている、わたしの「真珠」が、ひとりでに熱く疼き始めた。絹衣の内では胸の尖りが、知らず切なく立ち上がる。  そのふたつの部分の、じりじりと焼けつくような痺れは募って。  わたしは、きつく両膝を閉じ、脚の付け根をこすり合わせていた。    とろりと。  股の内に、淫液が溢れ出す。  羞恥と淫慾とが、わたしの頬を熱く熱く燃え立たせた。  そこでアルトナルは、くちづけを止めると、そんなわたしの耳もとにくちびるを寄せる。 「そろそろ、部屋へ戻りたいのだな? ソウレイ。いいや、首をいくら横に振って見せたとて、我には分かるぞ。先ほどから、はしたなく蜜に濡れた音をさせて」 「アル……」  「ああ、今宵のお前は、どうやら随分と佳く『精』を飲み込んでくれそうだな」  そう言いながらアルトナルは、力強い両腕で、わたしをひょいと抱え上げた。
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