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こんなにも、つらいなんて。
分らなかった。分っていなかった。
「さあ、早く『仕度』をお整えください。精を受ける御準備を」
薬師が片手だけでやすやすと、わたしの膝を押し開く。
そしてもう片方の手で、わたしの手首を取り、それを「あの場所」へと導いた。
わたしは、必死にかぶりを振り続ける。
したくない、あれは。
したくない。
自らの手による淫らな刺激。
ひとりぼっちで身体をよじらせ。
淫らに昂ぶって、ほとを濡らして恥ずかしい声を上げる。
さみしくて情けなく、いたたまれない。
あれを、もうしたくはないのに――
強引な薬師の手により、わたしの指先が脚の付け根のちいさな真珠を、つよく擦り上げた。
焼けつくような――
痛みにも似た刺激が突き上げる。
短い悲鳴が洩れ出した。
「おや……おつらくはないはずだ、ソウレイさま」
そんなことを、薬師が口にする。
「女陰は、もうしとどに濡れそぼっていらっしゃる」
そして薬師は、わたしの指を使って、その場所を掻き回すようにして蠢かせた。
耳障りな、淫らな水音がする。
どうして……こんな。
アルにいさまのくちづけを受けて、たしかに、わたしの身体は潤んだけれど。
でも。
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