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いくら夏の明るい夜とはいえ、とうに夜半を過ぎた刻限。
気も力も使い果たし、手淫の動きも止まりそうになるのを、薬師は許さない。
わたしの手が、力尽きて敷布の上に滑り落ちる度に、手首を取ると女陰に引き戻した。
そして、
「さあ、もっと指を動かして……」と、低い囁きでせかす。
もうできない、疲れたの。
かすれる声で、わたしは訴える。
けれど、胸の内ではもうすっかり、そんな泣き言は無駄だと知っていた。
すると、薬師が何かを取り出す。
ごくごく小さな、火箸のようなものだ。
薬師は「それ」で、わたしの淫珠を挟むと、ぐっと押し上げる。
そうやって、皮を捲るようにむき出しにされた小さな種子は、ただそれだけで、まったく新たな快楽を発し始めた。
腰が脚が、ぶるぶると小刻みに震えて止まらない。
「そら……こうやってやわらかな肉の覆いを剥いてやれば、麗しき真珠も悦んで、さらに膨らみを増すのですよ、ソウレイ様」
わたしには見えない「その場所」の様子を淡々と口にしながら、薬師は、また何かを手に取った。
水晶を削り出した細い棒。
先端が少しだけ膨らんでいる。
薬師はそれを、むき出しの部分に押し当てた。
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