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ひやりとした冷たさに、わたしは悲鳴をくぐもらせる。
でも、薬師はかまわずに、その棒の滑らかな先端で真珠をなぞって転がした。
長い悲鳴と喘ぎを発して、わたしは顎を大きく反らせる。
膝がピタリと閉じ合わさった。
腰が大きく跳ねる。
それでも、薬師の手にした水晶の棒の先端は、わたしの淫珠に吸い付くようにして離れないまま、コリリ…コリリ……と、そこをこそげ続けた。
一瞬にして、快楽が沸騰する。
わたしは、激しく達した。
溶けすぎた蜜が、粗相をしてしまったかのように熱っぽく脚に敷布に流れ出す。
「ああ、どうかお許しを……加減がつかめず。少しばかり強すぎましたか、后よ」
そう言うと薬師は、わたしの頬の涙と汗とを、そっと天鵞絨の小布で拭い取った。
「しかし、ご案じ召されるな。もうアルトナル様も、おそらくはじきに……」
そしてわたしは遠く、獣たちの猥褻な声を聴く。
彼らが一体、どんなはしたない睦み合いかたをしているのか――
わたしには、想像も見当もつきはしない。
一体、どちらがよりふしだらなのだろう。より恥知らずなのだろう。
男同士に肌を重ね合い、壊れそうなほど寝台を軋ませているアルトナルと。
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