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 疼きはすぐに、淫楽へと転じて、わたしは、ただ身をよじりながら、つらく息を震わせた。   ごく強引に、そして、ごくあっけなく。  わたしを、またもや達しさせ、薬師はひといきに胎へと白液を流し入れた。  *    一度の機会とて無駄にはできませぬゆえ――  薬師の言葉どおり、わたしはひとり横たわる寝台で、毎夜のように精を流し込まれた。  月のものが、ほんのすこしでも遅れれば、薬師もアルトナルも、密やかに色めきたつ。  けれども、それは決して慶事の(しるし)となることはなかった。  政の用向きで城へと参上する父も、顔を合わせればすぐに、「『やや』は……」と訊ねてくるようになっていた。 「このところは母者も、『お前がまだ幼すぎるせいではないか』と不安を洩らしておるのだ」とも。  そして、あれを食べよ、これを飲めと、身体に良いとされる食物の名を、あれこれと上げてみたりする。  でも、そんな心配など不要だった。  疲れて食が進まず、わたしがほんの少しでも目方を減らしてしまおうものなら、すぐに侍女たちが、それを薬師に伝えた。    「御城医さまより、そうするよう厳しく申しつかっております」と、侍女たちは言う。    でも薬師は、そんな報告など、本当は必要としてはいないだろう。  だって。      
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