87人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
あの男は毎夜のように、わたしの身体を、寝着もろくに纏っていないような姿を、その目に見ているのだから。
良人でさえも、いまだ目にしたことのない、わたしの肌を――
子種の育たない、この身。
なのに、わたしの中では、ただ身体の感覚だけが芽吹いて育ち、伸びあがっていた。
脚を閉じ合わせ、かすかに内腿を擦り合わせるだけで、もう、わたしの女陰は淫楽の反応を示すようになっている。
薬師は、わたしの内へと挿し入れる管を、少しだけ太くした。
常とは異なる圧迫感と、蜜道を擦り上げる刺激に、わたしはふしだらにも、すぐに馴染んで快楽を得る。
それをただ、奥へと差し込むのではなく、薬師は、ゆっくりと抜き差しをするようにして、わたしの内で蠢かせた。
わたしの溜息の中に、猫の仔のような声が混じる。
「どうぞ……存分に佳くなられてくださいませ。ソウレイ様におかれましては、もう十分に『上達』なされたゆえ、精が来る前に気をやられても構いませぬ」
言いながら薬師は、ほとに挿し込んだ管を動かし続ける。
緩急をつけ、時に内を抉るように回して。
粘度の高い水音が、天蓋の内に響いた。
この淫らに穢れた寝台の中にある時には、わたしはもう、羞恥心を殺してしまっていた。
自分を責め続けるのはつらすぎる。
最初のコメントを投稿しよう!