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「おおせのとおりにございます。すべては、私の責めに負うところ。本当であれば、この身、この命を差し出してお詫びすべき……いえ、そんなものでもとても足りぬ…」 「やめろ、シグルド!」    アルトナルは、そう叫んで、黒髪の騎士の身体を強く引き寄せた。 「違う…違うのだ、今の言は我の本心ではない。違う、お前を責めるなど……我はお前に、この命を救われた。お前がいなければ、我は生きていなかった。あの時、我の命は尽きていた」  そして、挑むように誘うように。  アルトナルはまた、黒髪の男のくちびるへと自らのくちびるを重ね合わせた。
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