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そして、「あの務め」が再開された。
しばらくぶりの淫戯だった。
すっかりと刺激に慣れ、蕩け切っていたはずの身体も、昔のような固いこわばりを取り戻してしまっていて、細い方の管すらわたしの内に、すんなりとは入らなくてなっていた。
真珠への刺激で快楽に達することも難しく、駆け上がる途中に、息が切れ、疲れ果ててしまう。
「これは困ったことで」
薬師がひとり言の声音で呟いた。
やや、力を込めて押し込まれる管の圧迫感に、わたしは痛みを覚えて身体をよじる。
腰が引けてしまい、どうしても、それを奥まで受け入れることはできなかった。
「いや、いたい……いたい、やめて」
そう泣き言を口にしてはみるものの、薬師が手にする「あの器」を目にして、わたしは自らの后としての務めを強く思い知らされる。
アルにいさまの「やや」を。
はやく、身ごもらなければいけないのだ。
にいさまは、きっと待ちかねている。
父さまも、母さまも、民たちも、皆……。
「ソウレイ様」
薬師が囁く。
「痛みをこらえることはありませぬ。そのような様子では、せっかくの精も上手く胎には流れませぬゆえ……」
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