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「このようにして、わたくしの手指でお慰め差し上げますが、いかがでございましょう」
胸の尖りと肉珠と、ほとの内側と。
鋭敏な箇所をやわらかく愛撫され、淫慾は時間をかけて緩やかに膨れ上がていく。
そして、ごく浅い絶頂がやってきた。
それは永遠のように長引いて、わたしは細い声を上げ続ける。
その間も、薬師の卑猥な手技は止まることなく施され、わたしの快楽をさらに長引かせた。
「ああ、よろしゅうございました、ソウレイ様、すっかりと勘を取り戻されたようで」
満足そうに目を細め、薬師がわたしを見下ろす。
いつの間にか、冬の遅い夜明けが訪れていて。
わたしは、その男の瞳がアルトナルとよく似た琥珀色であることに、そこで初めて気がついた。
「后よ、どうぞ、今しばらくはご休息を。侍女たちには、昼までは起こしに来ぬよう、わたくしが言いつけておきましょう」
そう言って、わたしの身体を手早く上掛けで覆うと、薬師は煙のように部屋から下がっていった。
唐突にシンと静まった空気の内に、わたしの心がかき乱される。
あのような男に、身体を「おもちゃ」にされた。
いいように弄られて嬲られたのだ――
そんな口惜しさが込み上げて堪らない。
これまでにも、様々なことをされた。
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