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けれどあの男は、自らの手指で直接、ほとの内やわたしの肌に触れることはなかった。
だからこそ。
「これはアルにいさまの子を成すための、后の『務め』なのだ」と。
薬師も、彼の務めを果たしているだけだと、懸命にそう思うようにしてきたのだ。
でも、もう……。
こんな人形のような扱いなど、とても耐えられはしない。もう無理だ。
でも、どこにも逃げられない。
わたしに行くところはない。
だったら――
だったら。
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