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「よもや、王子である我に、歯向かうつもりではあるまいな? ソウレイ」  威厳に満ちた口調ではあったが、決して本気ではない風に、男のくちびるはふわりと緩んでいた。 「…すごい…って」  娘のかすかな囁き声を聞き逃しかけて、男はかすかに首を傾げる。 「にいさまの…すごく、熱くて」  やっとのことでそこまで口にした娘を、それでも許さずに男は、 「『我の』、何がだ?」と、さらに問い詰めた。  そして、ふたたび口を閉ざしてしまった娘の手首を、また自身の場所へと押し当てながら、「どうした、レイ。ちゃんと答えないか」と責める。    ついに観念したのか、娘が頬を紅に染めながらも、震える声を絞り出した。   「アル…にいさまの、おしるしが……わたしに、悦びと赤ちゃんを下さる場所が」 「ほう…? 我の『男の標』が、どうしたと」 「あつく…て、すごく……」 「すごく、なんだ」 「すごく、おおきくて……かたいの」  そこでやっと、男は低く短く笑い、娘を淫らに責める言戯を終わらせてやる。  もはや男の欲望の方も、抜き差しならない部分に達していた。  男はか細い顎を引き寄せ、貪る獣のくちづけをしながら、娘の膝を割って開かせた。  脚の付け根へと差し入れた男の指は、すぐに、暖かく透明な蜜にまみれる。     
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