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 その睫毛の先の涙のきらめきにくちづけながら、吾は言う。 「もっと欲しいのであろう? レイ。まだ足りぬな?」 「はい、にいさま。アルトナルさま……」  ソウレイ様が、寄る辺ない響きで吾に縋りついた。 「おうじを、おうじょを……にいさまの『やや』を、たくさん身籠もります」 「そうだな、我の子を孕みたいのならば、まだまだ足りぬな」  はい、もっとお慈悲を。  アルトナルさま、にいさま………。  吾が胸元に睫毛を擦りつけながら、ソウレイ様は繰り返した。  その壊れそうに細い肩をかき抱き、やわらかな耳朶にくちびるを寄せて、吾はこう囁く。 「案ずるな……レイ。ややなど、すぐに孕む。『吾の』子を、いくらでも身籠もるがよい」 (了)
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