ぼくの家には宇宙人がいる

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「数千万年使ってじっくりと、感謝をしながらいただくと言っていた。――そのまえに人間が地球を滅ぼすだろうな」 「じゃあ、なにも彼らを皆殺しにするというのは流石に――」 「宇宙人と手をつないで共生すると言って、国民全員が納得するか。  そのための資金、宇宙人とどう接するのか、そのすべての不安を取り除けるか」  少佐が強い口調で詰め寄ると、軍服の男は言い返す言葉を失った。 「それに。この国は他国から“戦争のできない国”などと言われ、外交で損をばかり喰らわされている。――――宇宙人などという、同情のしにくい来訪者は、いい軍事力の宣伝になると国は踏んだんだ」 「……国のメンツのために嘘をつくと言うんですか」 「嘘はそれを嘘だと知らずに信じている限りは、嘘ではない。それで国が満足し、国民の不安が除けるなら安い話だ。――――コロギヌス星人とやらには悪いがな」  少佐はどこか諦めたような笑いを漏らし、冷え込む夜の空気の中に葉巻の煙を混ぜた。呆然と立ち尽くす軍服の男の肩を、優しく叩いた後周りの警官たちに捜索の命を出した。  警官たちは散らばった。
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