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「ああっ、そう言えば。もうすぐ“しし座流星群”が来るよねー」
そんなカケルはさておいて。ミカが流星群の話をする。三人はわき立った。
「今年は夜遅いかもしれないんだっけ?」
「夜中の一時っていつだよ?」
一時は昼にしかないと思っているカケルが頭を悩ませる。
「真夜中に日付が変わるでしょ。そこから一時間たったところよ」
「ええー。起きてらんないよー」
カケルが地団駄を踏むと、ミカもタダシも一緒になって地団駄を踏んだ。
「もっと早く来てほしいーい」
三人で声を合わせる。そう、三人は宇宙が大好きなのだ。親の予定が合えば、保護者付きで夜に出かけて天体観測もする。今年のペルセウス座流星群は三人で見た。しし座流星群もといいたいところだが、観測が夜半を過ぎると予想されているそれを拝むことは難しいのだった。
でも、もし流れ星を見たら絶対に報告するように。家から電話をかけてきた者には、栄誉をたたえて勲章を与えよう。ふざけてタダシがそう言うとミカとカケルは、タダシに敬礼を送った。
そして三人は分かれ、それぞれの家路につくのだった。
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