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「ツヅキ隊長、クサカベ隊長補佐。1分18秒の遅刻だ。早く席に着け。」
部屋にはいった途端、冷たい視線が突き刺さった。第一機動隊隊長、三島和人だ。
「もう揃っている。」
会議室は、ツヅキ隊長と僕以外の全隊長と隊長補佐が揃っていた。
「…すみません、以後このようなことはなくします。」
ツヅキ隊長は、固い表情のまま席についた。僕もその隣に座る。ミシマ隊長は、再度此方に冷たい視線を向けたが、ツヅキ隊長は視線を反らして窓の外に視線を向けた。ミシマ隊長が話始めた。
会議と言っても、今日はウスイ総長から今後の機動隊の在り方について話があるだけのようだ。
「災難だったねぇ(笑)ミシマ隊長に怒られるとか(笑)」
隣から話しかけてきたのは、第十機動隊隊長、御影清佳。へらへらと笑っているミカゲ隊長は、ツヅキ隊長がミシマ隊長に怒られたことが面白かったらしい。
ミカゲ隊長は、その性格さえ直せれば、美人なのだとは思うが。
「前向きなさいよ、キヨカ。」
ミカゲ隊長は、少し顔を歪めた。そして綺麗な紫色の髪に結ばれた黄色のリボンを弄り、気に食わなかったのかリボンをするりとほどいた。
「今日は、モモノはいないの?」
ツヅキ隊長は、ミカゲ隊長のほうをちらりと見て言った。ミカゲ隊長はリボンを弄りながら、「モモノは再検査~。GMM適合検査の。」と言った。
「上手く適合してないんですか?」
僕は尋ねた。ミカゲ隊長は指に絡まったリボンをほどこうとせず、ミシマ隊長のほうをぼーっと見て言った。
「みんなが100%適合するわけじゃないからねぇ。モモノはまだ能力の制御が難しいのよ。」
ミカゲ隊長の表情が少し暗くなったのが分かった。モモノの話を持ち出すのは良くなかったかもしれない。
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