beloved autumm

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──***── 「ねぇ、もし、さ、世界にいるのが私とあなただけだったら、どうなるかな?」 と、俺の隣にいる少女が少し恥ずかしそうに、けれどもどこか期待するように問いかけた。 夕暮れに染まる制服が淡く見える頃、俺と彼女は家に帰りながら雑談をするのがいつもの事だった。 俺はその質問に対し、どう答えるべきか戸惑った。できることなら、少女の期待に応えてあげたいが、今の俺にはどう答えても冷めた反応をするだろう。そこで俺は、 「おまえは、どうなんだよ」 と、言ってみた。すると少女は、 「うわ、質問を質問で返しますか…」 そういう人は嫌われるよ。と言いながら不服そうに頬を水風船のように膨らませていた。 その顔はあまり他の男性には見せないだろうと思いながらも、この瞬間を写真に収めたら可愛い反応をするだろうなと俺は考えていた。そんなことを考えていると、 「うーん、そうだねぇ…。私としてはちょっと嬉しいかも?」 と少女は何故か疑問形で答えた。俺は思わず 「なんだそりゃ」 と少し呆れて言った。  そんな他愛もない話をしながら何気ない時間が過ぎていく。 「じゃあ、次の質問ね。私の、好きなお花はなぁんだ?」 と少女は無邪気な笑みを見せながら俺に聞いてきた。これなら俺でも答えられそうだ。 「『・・・』だ。」 俺がそういうと何故か少女は顔を少し赤くする。そしてとびっきりの笑顔で 「正解!」 えへへ、と嬉しそうに言うのであった。
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