17人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
石造りの暗い地下迷宮に、コツコツとオレの足音が響く。
階段を降りる。降りた先には、明かりが灯っていた。オレが掲げるランタンのものでは無い明かりが、別に。
その、もう一つの明かりの持ち主が、オレの足音に反応して振り向く。
……やけに、ゆっくりに感じられた。
そいつの顔は、良く知っていたはずだった。
何度も見た、顔だった。
だけど、こんな顔は、初めて見た。
特に、意志を宿すその瞳は。
だって。
オレとこいつは本来、『生きて』出会うはずが無いのだ──
最初のコメントを投稿しよう!