spice01.告白

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パラパラと校内を歩く人たちを横切っていく。 感情が自分の体に収まりきらなくて、息が苦しい。 こんなに全速力で走ることなんてないから、もう肺と足が限界を迎えていて、頭が朦朧とする。 だけど、止まりたくない。 何も考えられないぐらい、息苦しくなればいいんだ。 走って。走って。 何度ももつれそうになる足を必死に動かして。 もっと遠くまで走って。 消えてしまいたい。 そう思った瞬間。 視界の端に一瞬黒い影が見えたと思ったら、右の二の腕に力強い抵抗力を感じて、引っ張られるように引き止められた。 前に進もうとしていた体が、引っ張られた反動で後ろに倒れそうになる。 「っと、危ねぇ」 背中を何かに支えられたかと思ったら、聞きなれない声が耳元に響く。 え、何!? 思考が追いつかないまま二の腕に目をやると、形の良い角ばった手が私の二の腕を掴んでいた。 誰かに引き止められた。 それだけを理解して。 ゆっくりと後ろを振り返った。
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