spice01.告白

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どうしよう。 思わず正座して、両手でスマホを持つ。 震える指でロックを解いてホーム画面を開くと、不在着信が二十五件と、メッセージが百を超えていた。 ドクドクと脈が耳の奥で波打っている。 確かめるまでもなく、不在着信は全部香恋からだろう。 浅い呼吸を続けながら、意を決してメッセージアプリを開くと、同じ学部の友達からが一つ。 それ以外は全部香恋からだった。 『ごめんね』 『今どこにいるの?』 『私は春木先輩より紫映の方が大事だから』 『ちゃんと話したい』 『紫映、ちゃんと家に帰った?』 『今どこ?』 『変な気起こしたりしてないよね?』 『お願い、心配だから連絡ちょうだい』 最初は謝罪や弁解のメッセージばかりだったのが、後の方になると心配のメッセージに変わっている。 不安の上に罪悪感まで乗っかって、さらに心臓が重くなった。 どうしよう。 何て返そう。 頭の中で思考を回しながら、震える指を画面に当てる。 充電が切れて気付かなかったことにする? ううん、嘘っぽくてバレバレだ。 怒ってるフリをする? いや、そんなのしたくない。
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