「愛について」

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「なぁ、愛ってなんだと思う?」 空が青すぎるから、 暑くてたまらないから、 そんな蕩けたことを聞きたくなるんだ。 多分そう。 俺の胸ぐらを皮膚ごと掴み 「こういうことでしょ。」って。 渡辺の上目遣いは睨むと同義だ。 猫の威嚇に似てる。 俺はもっといろんな意味で、 愛について話したいんだけど。 「じゃあ田中、今すぐ死ねる?」 渡辺が話すたびに赤い舌がチラチラのぞく。 エロいことについては素直に頷けるのに。 「渡辺とキモチイイことするまでは死ねない死なない。」 「じゃあ田中は不死身だ。」 やっぱり赤い舌はエロい。 エロいことに素直に反応できるのも愛なのだろうか 「で、結局愛ってなんなの」 溶けかけのアイスみたいな問いに 俺の手を掴んで自分の胸元にやり、 「Life is beautiful」 えくぼも渡辺はエロい。
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