ズット、ソバニ……

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 20XX年。  科学の目覚ましい進歩により、人間は様々な欲望を満たしてきた。  だが、最新の科学をもってしても未だ老いと死からは逃れられない。  癌の特効薬が開発され、今まで不治の病いとされてきた病気に対しても薬の研究や遺伝子解読のお陰で治療の成果が上がり、寿命はどんどん伸びているが、それとて死から逃れられるわけではなかった。  皮肉なことにそれは、人間の身体の本来の寿命を超えて働き続けるあまり、悲鳴をあげた骨や筋肉、細胞が疲弊、老化し、介護が必要な人口が寿命と共に伸びていく一因を作ることにもなっていた。  介護は介護を担わされる家族にとって、圧倒的な肉体的、精神的負担となる。  朝起こして歯を磨き、排泄させ、食事の世話をし、風呂に入れ、一日中見守っていないといけない。  そんな生活から自分もまた体調を崩し、精神的にも追い詰められ、介護が必要となる立場になることも珍しくなかった。  そこで開発されたのが、介護用ロボットだった。
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