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でも、そんなことできなかった。
何かあるとすぐ越本を気にするようになっていろんなことに手がつかなくなった。
声がするたび、越本が呼ばれるたび、視界に入るたび気にしてしまう。
おかげで私の日常は変わってしまった。
夜遅くまでいろんなことを考えてしまい寝るのは遅くなり、朝七時に起きるようになってしまい、ご飯もろくに食べる時間がなく、学校では越本が気になって集中出来ず、勉強にも手がつかず......。
今までなかった非日常。
「陽菜里、最近ぼーっとしてることが多いけど大丈夫? もしかして......恋だったりして」
私が......あいつに......恋?
いつから?
「もし当たってるんだったら告白しちゃいなよー。待ってるよ、きっと」
明里は嘘をつかない。この言葉は本当だ。だから私は行かなくちゃ。
あいつのところに。
「明里、ありがとう!」
お礼と同時に私は走り出していた。
早く会いたい。伝えたい、このどうしようもない気持ちを。非日常になってでも。
「私、越本が好きだ」
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