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朝六時ぐらいに起きて、ご飯を食べ、身支度を済ませ、学校に行き授業を受け、家に帰り、多少勉強して、夜ご飯を食べて、お風呂に入って寝る。
これが私、飯塚陽菜里の日常。
......だと思っていた。
「陽菜里、おっはよー!」
「いった......。明里おはよう」
朝からハイテンションの私の友達の一人、飯田明里が背中に飛びついてきた。
背のちっちゃい明里は正直飛びつかれても軽いからダメージは少ない。
本人にそれを言うと怒られるけど......。
「そーいえば陽菜里、越本君とはどーなのよー?」
「だーかーらー! 明里、何度も言うけど越本とは何もないから。あんな奴好きとか本当考えられない!」
「えー、そんなに俺だめ?」
......え。まさかのここでご本人様登場。せめて、空気読んでもう少しあとで話しかけようよ。
「だめとは言ってない。ただ私は好きじゃない」
つい、慌てて早口になってしまう。
「あっれー。早口になってるけど、どーしたのかなー?」
横でにやにやしてくる明里。越本は......なんで不安そうな顔をしてるんだ。
「別になんでもない」
早足で逃げようとした時、
「俺は好きなのに」
本当に本当に小さい声で聞こえた。
でも、私は聞こえないふりをした。聞いたことにしたくなかった。
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